出産と問題生徒

 産休を終えた30歳を超えたばかりの中学校教師Aさんが久しぶりに教室に入ったとき、日頃から騒いでいたグループが「先生、子供はどうやったらできるのですか」「どこから生まれるのですか」などと言って卑猥な声でからかった。
そこで彼女は腹をくくり、「放課後、ゆっくり話をしてあげるから、希望者は教室に残りなさい」と言って、その場は切り抜けた。放課後に教室に行ってみると、ほかのクラスの問題児まで集まっている。
もう後にはひけないと意を決して真ん中に腰を下ろし、夫と知り合った時のこと、初体験、結婚式のこと、子供を作ろうとした営みなど、包み隠さず話をした。生徒たちは、ニヤニヤしながら聞いている。
 ところが、話が妊娠を知ったときの感動、分娩の様子と続いていくうちに、いつしか教室内はシーンと静まりかえっていった。先生の目頭も熱くなっていた。
こうして、ありのままを話した一時間半が終わると、彼らは、
「先生、どうもありがとうございました」と頭を下げて帰っていき、その後、彼女の授業で騒ぐ子供もいなくなった。
下心も虚飾もない、圧倒的な事実と迫力が、子供たちの琴線に触れ変わったのである。

黙って聞け

目を合わせる順番を変えただけで・・・


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